[2020年1月号]熟成によってワインのアルコール度数とSO₂量は変化するか?(広報 浅原 有里)

2020.01.06ニュースレター

弊社では長期間熟成したオールドヴィンテージワインも多数扱っていますが、ご存知のように熟成によってワインの色調や香り、味わいは大きく変化していきます。ワイン中では様々な変化が起きているはずですが、アルコール度数やSO₂量はどのように変化するのだろうかと、ふと疑問が浮かびました。

 

そこで、弊社のセラーに眠っていたワインをいくつかピックアップし、出荷当時に公的機関で発行された信頼性の高い成分分析表と2019年現在の成分分析結果を比較してみました。

 調べるのは、アルコール度数とSO₂量です。SO₂(便宜上、亜硫酸とします)については、遊離型亜硫酸量と総亜硫酸量の2種類を調べました。参考までに、SO₂について解説した過去のニュースレターから、2種類について言及した部分を引用します。

 SO₂は他の物質と結合したものと、まだ何ともくっつかずワインの中でふらふらしているものがあります。前者は「結合型亜硫酸」と呼ばれていて、アセトアデルヒド(アルコールが酸化したもの)や糖、 ポリフェノール、ビタミンB1などと既に結合しており、期待されている効果は発揮できません。一方、後者は「遊離型亜硫酸」と呼ばれており、これが抗酸化作用や抗菌作用などを持ちます。総亜硫酸量は、結合型と遊離型を足した値です。

全文は以下からご覧ください。
★[2016年5月号] フィラディス実験シリーズ第10弾
『ワインの「添加物」徹底研究 Part 2 -SO₂(二酸化硫黄)』 (営業 中小路 啓太)
http://www.firadis.co.jp/newsletter/201605

結果

SO2結果表

 ワイナリー側が出荷時に行った検査から今回の検査まで、2年半〜7年の熟成期間がありましたが、アルコール度数は全てのワインで下がっていましたし、その下がり幅は熟成の期間に比例していました。熟成によってアルコール度数が低くなることは、紛れもない事実だと言えます。

 SO₂についても、遊離型亜硫酸は全てが検出できない数値まで減少しており、すでに酸化防止効果は期待できなくなっていることが分かりました。総亜硫酸も大きな幅で減少しており、熟成によって亜硫酸は非常に微量しか含まれなくなることが判明しました。


 今回は熟成期間がそれほど長くないワインでしたが、これほどはっきりと変化が分かったのは驚きでした。ただ今回の検査結果から、遊離型亜硫酸と結合型亜硫酸の相関関係や総亜硫酸量が減少していくメカニズムなど、いくつか疑問が湧いてきましたので継続して調べていきたいと思います。ご質問やリクエスト等あれば、ぜひフィラディスまでお寄せください!