[2018年4月号] フィラディス実験シリーズ第17弾『船便VS航空便、比較実験から6年熟成させてみました!果たして結果は・・・』(営業 古川 康子)

2018.04.03ニュースレター

毎月お届けしているFiradisニュースレターも、2011年6月に初回を発行してから、まもなく7年となります。これまでたくさんの実験を行ってきましたが、最初の実験は2012年2月号でお届けした『船便VS航空便、本当はどっちがいいの?~比較実験してみました!』でした。このレポートに対して皆様から多くの反響をいただいたことが励みになり、シリーズとして続けていくきっかけになりました。

そんな思い出深い実験なのですが、実はこの時に輸入した同一ロットのワイン・・・弊社の倉庫でずっと熟成させていたのです!!

今回は、2011年に船便と航空便で輸入した同一ロットのワインを、まったく同じ環境下で更に6年間熟成させた場合、果たして輸送時の影響を受けたままなのか?熟成の進み方に違いはあるのか?を、明らかにしてみたいと思います。

6年経ってこの実験を行うことを聞かされた時、企画を考えた代表・石田の好奇心の旺盛さと執念深さに驚くばかりでした。(少し怖いですよね・・・笑)

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★6年前の実験結果はこちら★

[2012年2月号] 船便VS航空便、本当はどっちがいいの? ~比較実験してみました! (営業 古川 康子)

さて、前回の詳細は上のニュースレターで確認していただくとして、簡単におさらいしておきます。

 

● ワインの味わいに影響すると考えられる輸送方法のポイント

≪船便≫

①15度前後(全行程に於いて温度指定可)でワイナリーからフィラディス倉庫までの一貫した温度管理が可能。

②海上輸送期間5週間、現地での集荷から日本で出荷可能になるまでは、トータルで8週間。

③高度変化による気圧の変化は無し。

≪航空便≫

①陸上輸送部分は低温で輸送、飛行機内の温度は約4~10度。駐機してからなど飛行時間以外の場所での温度変化は避けられないことに加え、コンテナに入っていないので外気温の影響も受けやすいが、10月の輸送のためリスクは抑えられている。

②空輸時間は12時間、トータルで5日間。

③高度変化による気圧の変化が有る。

船便は温度管理という意味で圧倒的に優れている半面、輸送期間の長さ故、ワインの味が荒れる可能性が考えられる。 一方航空便は、ワインの味の荒れは短時間の移動で最小限に抑えられそうだが、飛行機内での温度が理想より低く温度管理の面で不安定となる。また、上空での気圧の変化により、液漏れやコルク沈みのリスクがある。

 

● 前回の実験結果

≪船便≫

ワイン全体が柔らく伸びがある。果実味は甘やかで穏やか、強い酸はあるが突出せず、腰の据わったタンニンが背景にあり、若干熟成も進んでいる。

≪航空便≫

香り味わいともにフレッシュでタイト。酸は鋭角的で緻密さがあり、立体的な構成でかっちりしっかりとしていて、芯から全体への広がりがある。船便よりぎゅっと密度が高い印象。

6年前の実験では、同じワインなので基本的には似ていて差は小さいものではありましたが、確かに違いを感じることができました。この時に感じた味わいの違いは6年間の熟成の間にどのように変化したのでしょうか?

 

【実験結果】

テイスティングは全種類船便と航空便かを隠してブラインドで行いました。前回の実験と同様、同じワインなので似ているのは当たり前なのですが、何とかその中で細かな違いを探っていきます。

HP4

HP2

HP3

 

【まとめ】

結論から言うと、“航空便と船便で共通する明確な違いはなかった”ということになります。

上の表では、同一ワインであることは認識した上で細か~い違いを見ていますが、例えばCとEは熟成感については船便の方が若干進んでいる印象だったもののワインの開き方や全体の印象は全く異なっていたり、Aについては航空便の方が熟成が進んでいると結果が真逆だったりと、特徴の出方に全体を通じての傾向は読み取れませんでした。20年ほど熟成していることを考えても、今回のテイスティングで感じた違いが輸送時の影響なのか瓶差による影響なのか断定はできません。

日ごろオールドヴィンテージのワインをたくさん取り扱っていますが、同じロットで同じ箱に入っているワインを全く同じ船&環境で輸送しても、明らかに色調や液面が違うものがあることは珍しくありません。もし見た目には違いが無くても、特に熟成した ワインでは味わいに瓶差は必ず現れます。今回の船便と航空便の味わいの違いは、この瓶差の範疇を超えるものではありませんでした。

つまり、輸送におけるワインの味わいの違いは、時間を置くことによって限りなく小さくなる、と結論付けることができます。

 

6年もの長い時間をかけて熟成させた1995年から1999年までのボルドーワイン。今回のテイスティングは熟成の度合いや味わいの微妙な差異を探る非常に難しいものでしたが、どのワインも美しく熟成して本当に美味しいと思えるものばかりでした。この美味しさは輸送と保管が完璧だったからこそ味わえるものだと思います。

時間が経ってもずっと美味しいワインをお届けするために、フィラディスは今後も品質管理に徹底的にこだわってまいります。