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就任直後の1986年にいきなりパーカー100点を獲得するという華々しい門出から8年間、シャトー・ラフィット・ロートシルトのテクニカル・ディレクターを務めたエリック・ファーブル。栽培・醸造の両面において世界に名だたるシャトーを支えた敏腕醸造家である。ラフィットを引退後、このような偉大なワインに関わったならば、次こそは自分自身のワインを造る番だと、長年の夢を実現すべく行動に出た。元々シラーやムールヴェドルといった風味豊かなブドウが好みであり、また、雨の多いボルドーよりも気候に恵まれた産地を求めたエリックが自然と引き寄せられたのは、地中海沿岸地域。2001年に500km近くに渡ってラングドック周辺の畑を探索した折、そのポテンシャルに一目で魅せられ、理想の地として選んだのがシャトー・ダングレである。
13世紀からの歴史を誇るシャトー・ダングレは、コトー・デュ・ラングドックのアペラシオンの最南端にある独立したクリュ、ラ・クラープに属しており、地中海の岸辺に向かう緩やかな斜面に設けられたブドウ畑を見下ろすように建っている。マッシフ・ド・ラ・クラープと呼ばれる石灰の山塊が独特の景観を描くこの地は、オクシタン語で『多数の石(=ラ・クラープ)』という名の通り、赤い砂岩の層やこれ以上ないくらい石を多く含む石灰豊富な土壌を持つ。年間日照時間300日、平均気温14度というフランスで最も温暖な気候を享受したブドウは、乾燥した北風により健康に保たれ、海から内陸に向かって吹く夜風により香り豊かにタンニンまでも良く熟す。また、松、タイム、ローズマリー、ラベンダー等、地中海特有のガリーグと呼ばれる石灰の塊が露出する荒野に生い茂る植物相の影響により、ワインにはハーブのような特徴的な香味が備わる。2000年以上も前からワインが造られているラ・クラープでは、1980年代初めより心浮き立つワインが次々に発見され、現在ではラングドックの中でも特筆すべきキャラクターとクオリティを生み出す地として注目を集めている。
2002年にシャトーを入手してすぐに、エリックは綿密に計算された植樹と接ぎ木で畑の整備を開始し、殺虫剤・除草剤・化学肥料を使わない有機農法による土壌改良に着手した(2009年にフランス政府によるアサートのビオ認証を取得)。どのブドウも手摘みし、ワインに豊かな香りとボディを与えるべく発酵には長い時間をかける。「まず観察し、考え、その後行動する」という理念の元、エリックの非凡な手腕と熱心な仕事により、類稀なテロワールに育まれたブドウは最高の結果に結びついた。彼のワインは瞬く間に評判となり、数々の星付きレストランにオンリストされているのはもちろん、メディアでも高い評価を受けており、ジャンシス・ロビンソンは「わくわくさせられる」との言葉を寄せ、ゴー・ミヨ誌は「お気に入りの蔵」に挙げている。土地特有のミネラルと地中海の香味に溢れ、生き生きとその出自を表現しながらも、ボルドーのエレガンスすら感じられるのは、ラフィットをはじめボルドーで貴重な経験を数多く積んだエリックのみがなせる業といえるだろう。
| オーナー | Eric Fabre family |
| 醸造責任者 | Eric Fabre |
| コンサルタント | Christian Lacassy |
| 所有畑面積 | 38ha |
| 土壌 | 石灰粘土土壌。玉砂利と赤い砂岩の層を持ち、石灰の塊があちこちに露出している。 |
| 栽培方法 | 「まず観察し、考え、その後行動する」を理念に、有機農法でブドウ栽培を行う。殺虫剤・除草剤・化学肥料は使わず、生物分解性の有機薬品や有機堆肥のみを使用。2009年にアサート(フランス政府によりビオ認証)の認証を取得。 |
| 醸造方法 | どのブドウ品種も手作業で収穫される。赤の場合は完全除梗し、果汁は重力を利用してタンクへ移す。温度管理のもと、マセラシオンの期間を長くとる。白の場合もオーク樽にて低温でゆっくりと発酵を行うため、ワインには豊かな香りとボディが備わる。 |
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2006 Terroir de la Clape Blanc
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| AOC | Coteaux du Languedoc La Clape | タイプ | 白 |
| ブドウ品種 | ブールブーラン40%、グルナッシュ20%、ルーサンヌ20%、マルサンヌ20% | 熟成 | オーク樽で6ヶ月(グルナッシュ、ルーサンヌ、マルサンヌのみ) |
| 評価 | ― | ||
| ベタンヌ&ドゥソーヴで「このあたりで最高の白」と称えられた味わいは豊満かつ複雑。アカシアの花、桃や柑橘類、スパイス、焼きたてのブリオッシュ、ミネラルが豊かに香る。クリーミーなアタックに続く完熟果実は限りなく豊潤でアロマティック。ほんのりとした潮のニュアンスも持ち合わせた気品あふれるフルボディ。 | |||
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2006 Terroir de la Clape Rouge
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| AOC | Coteaux du Languedoc La Clape | タイプ | 赤 |
| ブドウ品種 | シラー65%、グルナッシュ30%、カリニャン5% | 熟成 | オークの古樽で8ヶ月(シラーのみ) |
| 評価 | ― | ||
| レッドカラントやブラックベリーなど、赤や黒の果実にバニラ、リコリス、土っぽさも感じられる香りがグラスの中から立ち昇る。口の中を満たす果実は甘く、よく熟しており、ミネラルと豊かなタンニンに支えられた味わいは肉付きがよく洗練された印象である。シラーのスパイス、グルナッシュの果実、古樹のカリニャンの深み、ボルドーのエレガンスが絶妙に調和している。 | |||
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